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☆介護福祉士らの養成学校で「職業訓練バブル」ともいえる状況が起きている。深刻な雇用情勢の中、失業した人を人手不足の介護現場へ振り向けようと、政府や自治体が学校に委託する訓練を急増させたことが背景にある。経営難の学校からは歓迎の声も上がるが、現場には「介護分野で働く気のない人まで集まってしまった」との戸惑いもある。
政府や自治体は、失業者に介護分野で働いてもらおうと、介護コースがある専門学校や短大に委託する訓練を、09年度から大幅に増やした。政府の計画によると、介護分野で訓練を受ける人は、前年度の3倍近い3万7千人にのぼる。
東京都は、介護福祉士(訓練期間2年)などのコースを設けている短大や専門学校に対し、国からの委託訓練を含め、訓練生1人当たり月5万?9万円の訓練費を支給している。たとえば介護福祉士の訓練を40人が受けた場合、2年間で8、600万円余りの収入増になる計算だ。
都内のある学校では、介護福祉士コース1年目の約8割を訓練生が占める。「訓練を受けているのは、失業手当が長期間、受け取れるから」「将来、介護の仕事をする気などない」――。教員の一人は、休み時間にこう言ってはばからない訓練生が少なくない、と学生から苦情を受けている。この教員は「訓練生の半数はまじめに取り組んでいるが、介護分野での働き手を急激に増やそうとした結果、やる気のない人も集まってきた。このまま施設で実習が始まったら、お年寄りに迷惑をかけてしまう」と心配する。(11月1日:朝日新聞より)