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栗原社会保険労務士事務所

新型インフルエンザに関連して労働者を休業させる場合のQ&A

☆新型インフルエンザに関連して労働者を休業させる場合の労働基準法上の問題に関するQ&  Aが19日厚生労働省より下記のように発表されました。

  Q1.労働者が新型インフルエンザに感染したため休業させる場合は、会社は労働基準法第    26条に定める休業手当を支払う必要がありますか?

  A1. 新型インフルエンザに感染しており、医師等による指導により労働者が休業する場合      は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますの     で、休業手当を支払う必要はありません。医師や保健所による指導や協力要請の範囲を     超えて(外出自粛期間経過後など)休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰す      べき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。


  Q2.労働者に発熱などの症状があるため休業させる場合は、会社は休業手当を支払う必要    がありますか?

  A2. 新型インフルエンザかどうか分からない時点で、発熱などの症状があるため労働者が     自主的に休む場合は、通常の病欠と同様に取り扱えば足りるものであり、病気休暇制度     を活用すること等が考えられます。一方、例えば熱が37度以上あることなど一定の症状     があることのみをもって一律に労働者を休ませる措置をとる場合のように、使用者の自主     的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に     当てはまり、休業手当を支払う必要があります。

  Q3.労働者が感染者と近くで仕事をしていたため休業させる場合は、会社は休業手当を支     払う必要がありますか?

  A3.新型インフルエンザに感染している者の近くにおり、濃厚接触者であることなどにより保     健所による協力要請等により労働者を休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰     すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありま    せん。保健所による協力要請の範囲を超えて休業させる場合や、使用者の自主的判断で    休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、     休業手当を支払う必要があります。

  Q4.労働者の家族が感染したためその労働者を休業させる場合は、会社は休業手当を支払     う必要がありますか?

A4.家族が新型インフルエンザに感染している労働者について、濃厚接触者であることなど     により保健所による協力要請等により労働者を休業させる場合は、一般的には「使用者の    責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要     はありません。協力要請等の範囲を超えて休業させる場合や、使用者の自主的判断で休    業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休     業手当を支払う必要があります。

なお、Q1?Q4で休業手当を支払う必要がないとされる場合においても、自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能な場合において、これを十分検討する等休業の回避について通常使用者として行うべき最善の努力を尽くしていないと認められた場合には、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当する場合があり、休業手当の支払が必要となることがあります。

 Q5.新型インフルエンザに感染している疑いのある労働者について、一律に年次有給休暇を    取得したこととする取扱いは、労働基準法上問題はありませんか。病気休暇を取得したこと
と する場合はどうですか?

 A5.年次有給休暇は原則として労働者の請求する時季に与えなければならないものですの    で、使用者が一方的に取得させることはできません。事業場で任意に設けられた病気休暇    により対応する場合は、事業場の就業規則等の規定に照らし適切に取り扱ってください。

      詳細についてはお近くの労働基準監督署にお問い合わせ下さい。
      http://www.mhlw.go.jp/general/sosiki/chihou/index.html