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☆年金記録問題で長妻厚生労働相は19日、鳩山内閣が取り組む新たな対策案の骨格を固めた。
「消えた年金」の被害者救済が滞っているため、本人の申し立てに明らかな不合理がない限り支給する方向へ認定基準を大幅に緩和する。
該当者不明の年金記録約5,000万件に対しては、持ち主の可能性が高い受給者に、担当職員から記録訂正を働きかける。政府はこれらの新対策を国家プロジェクトと位置づけ、人員確保などのため2,000億円程度の予算を投入、今後2年間で集中的に取り組む方針。
新対策が最優先課題として掲げるのは、早急な被害者救済。具体策の目玉は、納めたはずの年金保険料の記録が消えた人を救済する「年金記録確認第三者委員会」の認定基準見直しだ。
現行基準では、申し立てが「一応確からしい」場合に限って支給が認められるが、実際には2007年夏以来、約8万件の申し立てのうち、6割近い4万6,000件が証拠不十分などで却下されている。
新基準では「明らかに不合理と言えない場合には事実と判断する」と改める方針で、この案を軸に第三者委を所管する総務省と調整に入る。立証責任を本人から政府側に転換することになるが、虚偽の申し立てを防ぐため、罰則も設ける方向。法改正が必要か、既存制度の運用で可能か、厚労、総務両省で詰めを急ぐ。
また、該当者不明になった約5,000万件のうち、持ち主が見つかった記録は1,000万件余りにとどまっている。これまでは、「ねんきん特別便」などを送って本人からの申請を待つことを基本にしていたが、今後は、持ち主である可能性が高い受給者に、職員から直接連絡を入れて記録を訂正する対策も実施する。
厚生年金の記録改ざん問題をめぐっては、社会保険事務所の保険料徴収実績を高く見せかける目的で、社保庁職員が関与していたケースが多数にのぼると指摘されている。しかし、舛添前厚労相のもとに設けられた調査チームは3件の関与しか確認できなかったため、再調査で職員の関与の実態を解明する方針。
自公政権では、コンピューター上の記録が正確かどうか確認するため、約8億5000万件の紙台帳と10年がかりで照合する予定だったが、新政権では作業期間の1?2年程度への短縮を目指すことにしている。(9月19日:読売新聞より)