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☆公的年金の積立金の2008年度の市場運用実績が10兆円の損失となったことが26日、分かった。
単年度の赤字は2年連続で、赤字幅は過去最大となった。08年9月の米証券リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)に端を発した金融危機による株価下落や円高が要因で、運用利回りもマイナス10%台に落ち込んだ。厚生労働省は「単年度の赤字で長期の年金給付にすぐ影響がでるわけではない」としているが、今後の年金制度のあり方にも影を落としそうだ。
公的年金の積立金の運用は、厚労相からの委託を受けた「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」が行っている。国民年金と厚生年金を合わせた積立金は約140兆円で、そのうち約90兆円を市場で運用している。運用割合は6割超が国内債券、2割が国内・外国株式、残る1割が外国債券となっている。
08年度は、第1四半期(4?6月)のみ1兆円の黒字を確保したが、以降は株価下落などの影響を受けて、赤字に転落。第2四半期(7?9月)が4兆円、第3四半期(10?12月)は5兆円と大幅赤字を記録していた。
厚労省が今後100年の年金財政を検証した「財政検証」では積立金の運用利回りを4・1%に設定した上で、厚生年金の給付水準が「現役世代の収入の5割以上」を確保できるとしている。今回のマイナス10%は目標と大きく乖離(かいり)した結果となっており、このまま運用の低迷が続けば、厚労省の計算通り年金資金が確保できず、将来の給付カットにもつながりかねない。
(6月27日:読売新聞より)