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☆全国で209万人が受給する生活保護費の適正化に向けて政府が動き出した。厚生労働相は25日、経済的な余裕がある受給者の親族に保護費の返還を積極的に求める考えを表明した。返還に応じなかったり、扶養を拒んだりした場合、法的手続きを取る。支給水準の引き下げも検討する。
年金額の切り下げなど、国民に痛みを強いる改革を進める中、生活保護を特別扱いしない姿勢を示した。
「扶養可能と思われるケースでは、家裁調停を申し立てる手続きを積極的に活用したい」
厚労相は衆院特別委員会でこう述べた。
民法上、生活保護受給者の親や子供は「扶養義務者」にあたる。自治体の福祉事務所は年1回、経済的な余裕がある親族に扶養を依頼しているが、生活保護法は扶養を義務付けておらず、「応じてもらえないケースも少なくない」(厚労省保護課)のが実情だ。
厚労省は今後、自治体向けの調停手続きに関するマニュアルを作成する。扶養の可否を事実上、自己申告に頼っている現状を見直し、扶養義務の履行を加速させるために家庭の事情にも踏み込む積極的な対応となる。
支給水準を巡っては自民党が10%の引き下げを求めている。(5月25日:日本経済新聞より)