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栗原社会保険労務士事務所

厚生年金529基金が利率5.5%前提 企業年金減額も

☆中小企業が多く加入する608の厚生年金基金のうち529基金が、年金資金の運用目標である予定利率を年5.5%と高率のまま据え置いていることが厚生労働省のまとめでわかった。2009年度までの過去10年の運用実績は平均マイナス0.5%、過去20年をみてもプラス2.3%に過ぎない。今後、約束されている企業年金額が減る恐れがある。

 経営体力がある大手企業の基金は、00年ごろから、市場の実勢に合わせて予定利率の2?3%への引き下げを実施。それに伴い顕在化する基金の積み立て不足を、会社が資金を拠出したり、保険料を引き上げたりして穴埋めした。給付額の引き下げを実施し、必要な積立額自体を減らす基金もあった。

 一方、経営体力に乏しい中小企業の加入が多い基金は、会社に穴埋めする余力がなく、対応が後手に回っている。民主党の参院議員の求めで厚労省が試算したところ、529基金の予定利率を大企業並みに2.5%に下げると、10年3月末で、積立金が計5.7兆円も不足することがわかった。 

 積立金の運用を大きく左右する株価は、東日本大震災の影響もあり今年3月末、日経平均が9755円と、前年を1割以上割り込んだ。(4月21日:朝日新聞より)