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☆厚生労働省は31日、40?64歳の現役世代が支払う介護保険料について、加入者の平均年収が高い健康保険ほど負担を重くする「総報酬割」と呼ぶ制度を来年度導入した場合の試算を公表した。大企業が運営する健康保険組合の1人当たり負担額(月額、労使合計)は、導入しない場合より900円多い5,800円になる。
31日開いた社会保障審議会の介護保険部会に試算を提示した。介護保険は給付費の5割を税金、2割を65歳以上の高齢者、3割を40?64歳の現役世代が負担している。現役世代分は現在、加入者数に応じて均等にそれぞれの健康保険に割り振っている。厚労省は国民健康保険を除く健康保険の負担分について、加入者の平均年収に応じて傾斜配分する仕組みを取り入れる方針だ。
総報酬割を完全導入した場合、平均年収が低い中小企業の社員が入る全国健康保険協会(協会けんぽ)の1人当たり負担額は軽減される。導入しない場合よりも50円低い4,050円になる。健保組合でも平均年収の高い約4分の3の組合では負担が増えるが、負担が減る組合もある。最も負担が重い上位10組合では、1人当たり負担額が導入しない場合の2倍程度に跳ね上がるという。
大企業などの反発が強いため、完全導入は難しいとの見方がある。厚労省は全体の3分の1を報酬割にし、残り3分の2を従来の人数割りにした場合の試算も併せて公表した。この場合、健保組合の1人当たり負担額は導入しない場合よりも300円多くなる。
総報酬割の導入に伴い、政府は協会けんぽへの補助金を減らす方針だ。完全導入の場合で1,300億円、3分の1の導入430億円、国の負担が軽くなるという。
介護報酬の増額は介護職員の給与の維持に充てる。現在は2009年度の補正予算で設けた基金からのお金で職員の給与を月1万5,000円上乗せしているが、基金は今年度で切れる。このため、職員給与を維持するには介護報酬を大幅に増やすことが必要となっている。(10月31日:日本経済新聞より)