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☆厚生労働省は24日、2011年度の概算の医療費が前年度比3.1%増の37兆8,000億円になったと発表した。増加は9年連続で、金額は過去最高となった。高齢者の増加に加え、医療技術の進歩を受けて高額な治療を受ける人が増えた。70歳以上の医療費は17兆円と全体の45%を占める。
2011年度の概算医療費は前年度に比べて1.1兆円増えた。増えた分の内訳は70歳以上の医療費が0.8兆円、70歳未満は0.3兆円だった。1人あたり医療費で比べると、70歳以上は1年間に80.6万円かかったのに対し、70歳未満は17.9万円だった。
70歳以上の医療費が全体に占める割合は、2001年度が38%だったが、2011年度は45%まで高まっている。
医療費が増加したもう一つの要因は、医療技術の進歩によって、お金はかかるが効果も高い治療方法や新薬が出てきたことだ。特にがん治療では新薬の開発や新しい手術方法の確立がめざましい。
厚労省は際限なく増え続ける医療費を抑えるために、入院日数の短縮や価格が安い後発医薬品の使用促進策を打ち出している。ところが、医療費の抑制には結びついていない。
例えば、1回の入院あたりの平均日数は34.7日で前年度より0.4日短縮している。一方、入院費は前年度比2.1%増だった。
後発医薬品は2012年度に数量ベースで医薬品全体の30%にする目標を掲げているが、2011年度の実績は23.3%にとどまっている。
医療費が増えれば保険料を払う現役世代の負担がさらに増すことになる。特に75歳以上の高齢者の医療費は、税金が5割、会社員など現役世代が払う保険料が4割、高齢者が1割を負担する。(8月24日:日本経済新聞より)